陪審法廷


陪審法廷』 楡 周平

随分とさぼっていました。

最近は内容別に他にもいくつかブログをもうけていて、趣味的要素の強いこちらがついついおろそかに・・・。

気分一新、あらたに Amzonのガジェットを利用することにもしました。

スタイルを変更すればもう少し大きく表示できるかと思ったものの、面倒なので結局デフォルトのまま利用してます。


さて、とうとう裁判員制度がスタート。

こうしたタイミングを見計らったように本書が文庫化されていたので、思わず手が伸びて購入。

楡 周平は、クライムノベルからコミカルなものまで日米の事情に通じた広い視点を持つ国際的な作品を創りだしてきた作家。

その実績通り、見事な手腕でアメリカの司法制度をリアルに切り取って日本人にわかりやすく提示してくれている。

アメリカの陪審員制度の話になるので日本の裁判員制度とは多少異なるが、市民の司法参加という意味ではアメリカが先輩にあたるわけで、参考になるところが大いにある。


法で裁かれなくとも罪がその人をさいなむということを考えれば、本来人を殺すことにおける正当な理由などありはしない。

ただ、あくまで法という制度の中で考えれば、正当防衛や緊急避難、あるいは情状を酌量できる内容というものは確かにある。

しかし、それを言葉でこうだと定義することは難しい。それが出来るのならば、専門家である裁判官だけでことは足りるはず。

そうではない、法では規定できない、あるいは、法がカバーしきれない部分を補うために存在するのが、陪審員であり裁判員である。

そうした制度の存在意義から導きだされる結論に納得させられる作品だ。

裁判員として選ばれる可能性のある人は選ばれる前に読んでおくことをおすすめする。


それにしても、起ってしまったことを罰する前に、その犯罪を避ける方法を学ぶことはできないのだろうか?

本書のケースで、犯罪を犯さずに全てを解決できる方法がはたしてあっただろうか?

正解などないとは知りつつも、その答えを知りたくてたまらない。

サフラン・キッチン

img20081123.pngサフラン・キッチン』  ヤスミン・クラウザー  訳 小竹 由美子

ちょっと変わったブックデザインの新潮クレストから出されている作品。

個人的には、今年1番の作品だと思っている。

正直、最初は読みづらいという印象が先にたっていた。原作がそうであるからなのか、訳者の意図なのか、文章の視点がころころ変わる。それも、明確な改行や行間を空けることなく切り替わる。これが非常に読みづらかった。

というのも、この話には主人公と呼べる人物が二人いて、それぞれが交錯しながら話が進んでいくため、今どちらの話なのかがなかなかわからなかった。
訳者あとがきで、そのあたりの解説があったので、なるほどと納得はできた。

もちろん、自分の読解力にも問題があるのだろうが、そのあたりの構成がよいともっと読みやすくなるのに、ちょっともったいない気がする。
いや、まだその行間にこめた作者の意図を自分が読み解けていないのかもしれない。もっと読み込んでみよう。

扱っているテーマの重厚さ、独特の語り口の妙、そして、なにより、普段あまり触れることのないイスラム文化の香り漂う雰囲気が唯一無二であり、この作品を素晴らしいものへと押し上げている。

読後、サフランについて知りたくなった。

内容は、ぜひ、先入観なしに読んでもらいたいと思うので深くふれないが、作品の時代背景となっているイランの歴史については、事前に知っておいてもいいのかなとも思う。訳者あとがきにもイラン近代史に関しては端的にまとめられているので参考になるだろう。

最後にひとつだけ。

「悪いことから、よいことが生まれる。」これは、作品のキーワードの一つであるが、これだけは絶対に賛同できない。

それは、前に「オシムの言葉」を読んでいた影響かもしれない。
「そういうものから学べたとするのなら、それが必要なものになってしまう。そういう戦争が・・・。」

確かに、事実として「悪いことから、よいことが生まれる。」ことはあるだろう。でも、もし、それを認めたなら「悪いこと」が必要なものになる。だから、絶対に認められないと強く思うのだ。

Chinese Democracy

61lpgawac7l._sl500_aa240_.jpgChinese Democracy GUNS N' ROSES

17年ぶりとなる新作。

待ちに待ったというか、なかば伝説と化していて本当に出るとは思わなかった。

My Spaceでは全曲聴くことが出来るので発売前に音を耳にした人も多いことだろう。

そんな新作だが、ネットでの情報をとりあえず遮断して全身全霊を込めて聞いてみた。

なんていうのか、こんなにがっかりしたのは久しぶりだ。

アクセルの声だから、ガンズではあるんだろうけど、これをガンズの新作とよんでもいいもんだろうか・・・。
多分、期待が大きすぎたのと、レコーディング手法の多様化がストレートなロックとはまるで違って全然楽しめない、というのが自分なりの分析。
先入観なしで聴こうにも、その特徴のある声でそれとわかってしまうので、どうしても過去と比較せずにはいられない。いっそ、アクセルのソロだったら良かったのに・・・。


どんな形であれ良いものであればもっと前向きにとらえられるのだが、悲しいかな、これ1曲のために買っても惜しくはない、というような曲は一つもない。後半になるにしたがって眠くなるもんな、はぁー。

そういえば、昔、映画のサントラで(確かEND OF DAYSだったような)1曲だけガンズの新曲が出たが、あの流れのままアルバムが作られている印象だ。でも、あの曲のほうが今回のどの曲よりもマシな気がする。

昨今の音楽シーンの中でも、駄作の部類に入る曲の悪さだ。

たらればだが、スラッシュだけでもいてくれたら全然違う印象のアルバムになったんじゃないかな。
あの独特の粘っこいソロとトーンで演奏されていたらという曲がいくつもある。

情報を遮断しているので、正直今のメンバーをまったく知らないが、誰なんだよ、このギタリスト。ワウを使ってそれらしく弾いているけど、全然響いてくるものがないんだよ。もっと、こうグッとくるトーンがでないもんかね。

"Catcher N' The Rye"は、そこそこいい感じなんだがなあ・・・。

真にファンの人には申し訳ないけど、私は全然楽しめませんでした。がっかり。


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